OKAYAMAKEN KENCHIKUSHIKAI JYOSEIBUKAI
情報誌 vol.53 秋号
前ページへ
E分科会 「歴史的建造物の保存と開発」 報告
□概要
「海のギャラリー」は、故、林雅子氏の設計により、1966年(昭和41年)
に高知県の最南端足摺岬近くの土佐清水市竜串に建設された。
土佐清水市在住の画家・黒原和男氏の世界的な貴重な貝のコレクション
数万点を一般に公開するため、観光振興の目的で建設されたが、
様々な観光事情の変化、加えて建物の老朽化も進み、解体の危機が訪れた。
そこで、2002年4月より建築士会女性部会をはじめとする有志により
「海のギャラリー再生」の活動が始まり、市行政が再建を決定し3年後
の2005年4月には、リニューアルオープンした。

□海のギャラリー再生までの軌跡
1967年 「海のギャラリー」オープン
1993年 トップライトが漏水のため塞がれる
2001年 1月 林雅子氏逝去 老朽化と運営難で存続の危機に立つ
7月 林昌二氏が総勢30名で見学と存続のお願いに来る
2002年 4月 高知建築士会女性部会が「海のギャラリー保存・再生」活動提案
8月 高知建築士会青年部会主催「サマーセミナー」開催
「海のギャラリーを生かす会」発足
9月 林雅子展(東京・大阪)
2003年 2月 林雅子展岡山展以降「海のギャラリー保存・再生」のための署名・募金が始まる
4月 林雅子展(土佐清水)
6月 林雅子展(札幌) 「海のギャラリーで再生事業実行委員会」発足
9月 林雅子展(長野) 海のギャラリーで地元カップルが結婚式・披露宴を行う
10月 ※DOCOMOMO100選に選定 ※1988年オランダで設立された国際組織
2004年 1月 JIA保存部会が海のギャラリー見学に訪れる
6月 集まった署名と募金を土佐清水市に寄付  市議会で再建決定
10月 改修工事設計開始
12月 改修工事開始 ※再生改修の資金6000万円
2005年 3月 改修工事完了 (日本財団3830万円+市補正予算2170万円)
4月 リニューアルオープン
□まとめ
女性建築士の草分け的存在である建築家「林雅子」氏の死後、夫の林昌二氏が著名建築家や学生・高知県内の建築家に存続の依頼をしたが、半年間は、特別な動きがなかった。
事態が一向に前へ進まない現状を聞いた高知県の建築士会女性部会会員が、「再生・活動」の初めの一歩を踏み込んだ。「林雅子氏の魂」が女性部会へ乗り移った瞬間だ。
改修工事に問題が生じると「雅子先生だったら・・・どうする?」
「雅子ブルーはこんな色だっただろうか?」と亡くなって尚、大きな影響をそして存在感を与えていたことが印象的であった。
E分科会の参加者は53名でしたが、その中には、学生時代「林雅子」先生の講義を聞きましたと懐かしく話される方もいて、これが女性建築士の全国大会だと体感しました。
この分科会を終えて高知県建築士会女性部会の活動に改めて賞賛と敬意を表します。
文:廣中
 
青年女性建築士の集い 中国四国ブロック岡山大会
実行委員会 準備報告
前回(8年前)の中国四国ブロック岡山大会は 青年部と女性部とは別々に大会を行っていました。それ以後合同で行うようになり 来年はまた、岡山で開催しますが 合同で主催する初めての大会です。すでに4月から、青年部・女性部合同の実行委員会を立ち上げて動いています。
今回は、倉敷を主会場に設定してあります。魅力ある倉敷の街を最大限生かそうと思います。

平成19年 6月2日に大会(全体会・4分科会) 
・・・倉敷市芸文館
懇親会・・倉敷アイビースクエア・フローラルコート
6月3日に理事会・見学会を予定しています。

大会のテーマは「飛び出せ建築士」で これは昨今の建築業界の有り様を反省して正しく前向きな方向をさぐる という意味と、もう一つは 一般の方へ向けてのアピールとコラボレーションをしたいという意味合いです。
各県に「飛び出す」実践活動を呼びかけ、全体会ではその活動を発表します。4分科会については 次回のフフで報告する予定です。
 さて 女性部会としては 大会の中の4分科会の1つを担当しますが 倉敷市美観地区の夜間景観照明を取り上げます。懇親会の後、ライトアップされた夜景を見て歩けると思います。

この分科会のリーダーは 副部長の廣中由紀子さんです。中国四国9県が集まる(300人位が集まる予定)大きな大会ですので 実行委員や女性部会役員だけでは 手が足りなくなると思われます。どうかその折りにはご協力を宜しくお願いいたします。漸次 フフにて状況はお知らせする予定です。
文:中山
 
女性部会 見学旅行のお知らせ
今年度の県外見学会は 2月10〜11日に1泊2日で高知へ行きます。あの、女性建築家の故・林雅子先生の代表作「海のギャラリー」などを見学します。(詳細は今号の全建女E分科会の報告をご覧ください)高知市からさらに片道3時間半かかるところで、こんな機会でもないとなかなか行けないところです。
また、宿泊先は海辺の温泉を予定しています。詳しいことは 12月発行のフフに載せますので、楽しみにしておいてくださいね。
 
「快適な住まいを考えるリフォームセミナー 第1回」 実施報告
 9月16日(土)の午後、県立図書館に於いて、「快適な住まいを考えるリフォームセミナー」(第1回)が行われました。受講者約30名の方は大半が中高年で、リフォームを現実的に考えられているせいか、かなり熱心に聴講されていて、茶話会での質問も積極的で、時間に限りがなければ果てしなく続きそうな雰意気でした。
 セミナー前半(講師:有木さん)は、実例写真や図面を示しながら、設計者の意図・工事が進められていく過程・現場での変更の苦労や工夫等についての、設計監理者と施主と工事者との絡みを交えた、実に臨場感あふれる説明でした。
 セミナー後半(講師:大瀧さん)は、実際にリフォームするにあったて、設計・契約・着工〜引渡しの流れの中で、消費者は何をすればよいのか、何に留意しなければならないのかということの、整然とした分かりやすい説明でした。リフォーム詐欺が世間を騒がす昨今、随分役立つ内容であったと思います。
一般の方が接しているのは、ほとんどが住宅メーカーや工務店の営業マンであるとことが多いからなのでしょう、技術者である女性建築士と実際にこのように話しをしてみて、その実直さと親しみやすさに意外性を持たれた様子でした。“安心と信頼”、まずはご挨拶。 
 どこかの企業のキャッチフレーズではありませんが、そう言った空気を感じました。それは有木さんや大瀧さんの人柄と経験によるところも大いにあったと思います。
 受講後の質問は、見積もり金額は適正であるのか、信頼できる業者をどのように選べばよいのかという一般的なものから、さらに建築の専門用語など建築自体の機能に関わる事柄や、設計事務所に関するものまで、セミナーの成果を伺わせるような内容でした。
 この業界で、女性であることがハンディになったという経験をお持ちの女性建築士の方も少なからずおられると思います。しかしながら、女性部会の活動に参加するようになって日も浅い私ですが、今回の女性部主催のリフォームセミナーに参加して感じたことは、
@ 技術者であること
A 非営利目的であること
B 女性であること
この3つの要素を同時に持つことの意義は大きいということです。このような女性部会の試みが、これから社会に対して何ができるのか、その可能性に期待を持てたことは、私にとって大きな収穫でした。そして、そのためには、技術と経験を積み上げていく努力が欠かせないということも痛感させられました。今後のセミナーが楽しみです
文:大丸
編集後記
 朝夕は、めっきり涼しくなり、夜ともなるともう寒く感じる季節になってきました。休みの日には、どこか野山に散策に出掛けたくなる今日この頃、夏の暑さを言い訳に運動不足のこの身体・・・
 さわやかな風を感じに、私も扉をあけてみたいと思います。
また、夜空の星もくっきりと見え出すころ、寝る前のひと時、見上げてみませんか?


 

発行日  平成18年10月5日
発 行  (社)岡山県建築士会女性部会
       岡山市内山下1-3-19
編集部  大瀧・渡辺